# ECの競合調査: 本当に意思決定につながる、四半期3時間の監査

> 競合のサイトを3つ眺めて、かえって気分が沈むような調査ではありません。具体的な情報源(広告ライブラリ、否定的なレビュー、SEOツール)と、競合1社につき四半期ごとに具体的な意思決定を1つ生み出す3時間の手法を紹介します。

Ryan Badger - 2025年2月21日 - 読了目安 7 分

## 「競合調査」は本来、何のためにあるのか

ECの競合調査の多くは表面的なものです。競合のサイトを3つ眺めて、向こうのほうが品揃えが多いと気づき、自社のサイトになんとなく劣等感を抱く。それは調査ではなく、自滅です。

役に立つ競合調査は、具体的な問いに答えます。自社の価格は相手と比べてどこにあるのか。自分が取れるポジショニングの空白はどこか。相手の顧客は何に不満を持っていて、自分ならそれを解決できるか。相手はどこに広告費を使い、どんなクリエイティブを使っているか。調査の1時間ごとに、感情ではなく、具体的な意思決定が生まれるべきです。

この記事では、正しいやり方、確認する価値のある情報源、そして自社の顧客に集中するのではなく、競合に振り回されてしまうという罠を取り上げます。

## 競合とは誰のことか

知っておくべき3つの階層があります。

### 直接の競合

同じ商品を同じ顧客に売っているブランドです。手作りのレザー財布を売っているなら、直接の競合は、同じような価格帯の、他の手作りレザー財布のブランドです。

通常は3-8ブランド。深く知っておきましょう。

### カテゴリの競合

異なる商品を売りながら、同じ予算を奪い合うブランドです。レザー財布のブランドなら、Bellroy(合成素材の財布)、カードホルダー、ミニマルなマネークリップ。商品は違っても、買い手にとっては同じ判断です。

通常は10-20ブランド。上位5-6ブランドを把握しておきましょう。

### 代替手段

顧客は、財布をまったく買わないかもしれません。Amazonの無料のおまけの財布を使い続けるかもしれません。スマートフォンのウォレットケースに乗り換えるかもしれません。こうした代替手段のせいで、見込み客の多くを失っています。

主なものを把握しておきましょう。多くのストアが思っている以上に、私たちは「何もしないこと」と競争しています。

## それぞれについて何を集めるか

あらゆる事実を集める必要はありません。意思決定につながる、特定の情報だけです。

### 1. 価格

同等の商品の相手の価格。値引きの頻度(毎週セールをしているか、一度もしないか、四半期ごとか)。送料の構造。ロイヤルティやサブスクリプションの特典。

行動: 自社の価格のポジションを決めます。プレミアムか、同等か、お買い得か。どれも成り立ちますが、曖昧なのは成り立ちません。

### 2. ポジショニング(一言で言える主張)

ヒーローセクションに何を載せているか。「選ばれる理由」のストーリー。商品説明の形容詞。ライフスタイル写真に描かれている顧客像。

行動: 相手のポジショニングを一文で書きます。自社のポジショニングも一文で書きます。同じなら、差別化に問題があります。

### 3. 商品ラインナップとその深さ

SKUの数。商品ごとのバリエーション数。何があり、何がないか。相手が売っていなくて、自社が売っている(または売れる)ものは何か。

行動: 空白を探します。「相手はXを売っているが、Yは売っていない」は、チャンスです。

### 4. 顧客レビュー(得られる最高のインサイトの源)

相手の商品レビュー、Trustpilot、Redditでの言及。特に否定的なレビューで並べ替えます。相手の顧客は何に不満を持っているでしょうか。その不満こそ、自社が埋められる空白です。

Redditでレビューされているレザーブランド: 「品質は素晴らしいが、ファスナーが6か月で壊れた」。あなたのブランドがYKKのファスナーを使っているなら、それがポジショニングの材料になります。競合への不満から、マーケティングコピーは自然に書けます。

### 5. 広告 / クリエイティブ

現在どんな広告を、どのプラットフォームで、どんなクリエイティブで出しているか。

- **Meta広告:** [facebook.com/ads/library](https://www.facebook.com/ads/library/) では、あらゆるブランドが現在配信しているすべての広告を確認できます
- **Google広告:** 検索とYouTubeは[Google広告の透明性センター](https://adstransparency.google.com/) で
- **TikTok広告:** TikTokのクリエイティブセンターで、成果の高いクリエイティブを確認できます
- **LinkedIn広告:** 各ページの「広告」タブで確認できます

行動: メッセージだけでなく、クリエイティブを研究します。相手はどんな形式で成果を出しているか。どんなフックを使っているか。制作のクオリティはどれくらいか。

### 6. SEO / コンテンツ

どのキーワードで上位表示されているか。ブログは何を扱っているか。サイトのどのページが最も流入を得ているか。

ツール: AhrefsかSEMrush(どちらも有料ですが、この目的なら通常は元が取れます)。無料の代替手段は、Ubersuggest、Google Search Console(自分のデータ用)、そしてGoogleで`site:competitor.com`と検索して、インデックスされているコンテンツを見る方法です。

行動: 相手の上位ページは、そのオーディエンスが検索しているテーマです。上位を狙う価値のあるクエリには、より良いバージョンを作りましょう。

### 7. SNSでの存在感とコミュニティ

フォロワー数(あまり参考にならない)。投稿ごとのエンゲージメント(より参考になる)。コメントのテーマ。顧客がSNSで相手について投稿している内容。

行動: 相手のSNSで繰り返されるテーマは、共通のオーディエンスが感情的に何に共感するかを教えてくれます。真似るためではなく、調整するために見ましょう。

### 8. チャネルの展開

どこで売っているか。直販のみか。Amazonにも出しているか。卸売は。実店舗での取り扱いは。ポップアップは。

行動: 相手が出ているチャネルは、試す価値のあるチャネルを教えてくれます。相手が出ていないチャネルは、手つかずの領域かもしれませんし、そのカテゴリに向かないチャネルかもしれません。

## 具体的な手法

### 「四半期に1回、3時間」の競合監査

最も重要な直接の競合3-5社それぞれについて、次のように進めます。

**1時間目: データ収集**

- 買い手としてサイトを訪れる。カートに入れるまでの時間、チェックアウトの摩擦、送料、返品ポリシー、全体の印象を記録する
- 主要な3ページ(トップページ、売れ筋商品のページ、会社概要のページ)のスクリーンショットを撮る
- 比較可能な商品の価格を記録する
- Facebook/TikTok/Googleの広告ライブラリで、現在のクリエイティブを確認する

**2時間目: 顧客レビューの掘り下げ**

- 主力3商品の否定的なレビュー(星1-2)を読む
- 相手のブランド名に関するRedditの言及を読む
- 繰り返し出てくるテーマ(配送の問題、品質への不満、サポートへの不満)を記録する

**3時間目: 意思決定**

- 相手が自社より優れている点は何か?(具体的に3つ選ぶ)
- 相手が自社より劣っている点は何か?(具体的に3つ選ぶ)
- 相手がやっていて、真似すべきでないことは何か?(3つ選ぶ。たいていは、割高なグッズ、ロイヤルティのゲーム化、奇をてらったブランディングなど)
- 相手の提案の中で、自社が埋められる空白は何か?
- 意思決定を1つ: この結果として、今四半期に何を変えるか?

これだけです。30ページものスライドは要りません。大切なのは、競合1社につき四半期ごとに、具体的な意思決定を1つ出すことです。

## 競合調査の罠

調査が逆効果になるのは、次のようなときです。

**文脈を無視してテンプレートだけを真似る。**競合がプレゼントキャンペーンをしたので、自社もやる。相手のオーディエンスは温まっていたが、自社は違った。キャンペーンは失敗する。戦術は、文脈なしには移せません。

**相手の成果物を、戦略と取り違える。**華やかなキャンペーンは見えても、その裏にある3か月の計画、代理店、テストに使ったデータは見えません。実行だけを真似ても、戦略は抜け落ちます。

**競合の動きを緊急事態として扱う。**競合が新しい商品ラインを出した。本能は、今四半期中に追随しろと言います。たいてい間違いです。その商品ラインは失敗かもしれません。発売時期は、自社にはない資金調達のプレッシャーに結びついているかもしれません。反射的にではなく、熟慮して対応しましょう。

**相手を追ううちに、自社のポジショニングを見失う。**四半期ごとの意思決定が、毎回「競合Xは何をしているか」から始まるなら、あなたは後追いです。顧客が買うのは差別化であって、同等性ではありません。同等では、ロイヤルティは勝ち取れません。

ルール: 競合のサイトを見るよりも、顧客のレビュー、サポートへの問い合わせ、フィードバックを、もっと頻繁に読みましょう。すでにいる顧客は、まだ持っていない競合の顧客よりも多くのことを教えてくれます。

## 競合調査をしてはいけないとき

- **ストア公開の第1週。** 競合分析ではなく、自社の商品に集中してください。先に競合を監査したくなる衝動は、先延ばしです
- **価格を決める直前。** 自社の価格は、まず利益計算とポジショニングで決めましょう。競合の価格は、その後に妥当性の確認として見るもので、そこから決めるものではありません
- **気持ちが落ち込んでいるとき。** コンバージョンが低いときに、資金力のある競合を読むと、必死に真似てしまいます。競合調査は、悪い週ではなく、良い週にやりましょう

## Shoprocketが役立つこと

競合調査そのものには、直接は役立ちません。Shoprocketが提供するのは、競争するための土台です。

- UTMによる成果計測付きの**自社の分析** で、実際に自社で何が効いているかがわかります
- 自社のトラフィックとコンバージョンの変化をすばやく察知できる**リアルタイム分析**
- 最も重要な調査源となる**顧客記録+レビューデータ**(インサイトの源として、顧客は競合に勝ります)
- 競合が海外に対応していなければ、その空白を埋められる**多通貨+多言語** 対応
- 別々のプラットフォームを使わずに競合のチャネル展開に並べる**商品フィード+ホスト型ストアフロント+埋め込み**

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> **ヒント:** 競合監査をしたら、下す意思決定を1つ書き出しましょう。日付を入れて、四半期レビューのリストに載せます。3か月経っても動いていないなら、役に立つ調査ではなかったか、行き詰まっているかのどちらかです。どちらも情報なので、そこから行動してください。

## 要点まとめ

- **競合調査が生み出すべきは、感情ではなく意思決定**
- **重要な階層は3つ:** 直接の競合、カテゴリの競合、代替手段(最後のものは過小評価されがち)
- 差別化に変えられる不満を拾うために、**相手の顧客レビューを掘り下げる**
- 相手の実際のクリエイティブを研究するために、**広告の透明性センター**(Meta、Google、TikTok)を使う
- **競合1社につき四半期3時間** で十分。やりすぎない
- **同等では勝てません。** 差別化が勝ちます。文脈なしに競合のテンプレートを真似ない
- **競合より、顧客をよく読む。** 顧客のほうが多くを教えてくれる

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